アレルギーとは

人の身体には、病原体などの異物が体内へ侵入しようとすると、それを排除する機能が働くようになります。これを免疫反応（抗原抗体反応）といいます。ただこの反応というのは、正常に機能しないことがあります。例えば、食物や花粉等、人体に無害であるにもかかわらず、体内の細胞が抗原（アレルゲン：アレルギーの原因となる物質）として認識し、それを排除しようと過剰に反応するなどして、自分の体を傷つけるということがあります。このような状態にあることを総称してアレルギー疾患といいます。

なお小児によくみられるアレルギー疾患には、以下のようなものがあります。

アトピー性皮膚炎

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気管支喘息

空気の通り道である気道（鼻や口から吸った空気を肺まで送る器官）が何らかの原因で慢性的に炎症を引き起こすと、それによって気管支が狭窄するなどして、呼吸がしにくい状態となります。これによって、喘鳴（ヒューヒュー、ゼーゼー等の呼吸音）、息苦しい、咳が出続けると止まらないなどの症状が起きている状態を気管支喘息といいます。

慢性的な炎症を発症する原因としては、アレルギーによって引き起こされることが多いです。原因となるアレルゲンとしては、ダニ（ハウスダスト）が大多数です。また喘息を悪化させる要因としては、風邪をひいた、精神的なストレス、激しい運動をした等があります。

呼吸がうまくできない、咳が止まらないなどの喘息発作については、夜間～朝方の時間帯にかけて起きやすいのも特徴です。アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を併発している事も多く、それらの疾患への対処も重要です。

治療に関してですが、喘息発作が起きている状態と発作が起きてない場合で異なります。発作が起きている場合は、発作用のお薬を使って症状を緩和します。発作がない状態であれば、できるだけ炎症が起きにくい状態になるための治療として、内服や吸入などの予防薬を使用する事があります。

花粉症

花粉がアレルゲンとなって、様々なアレルギー症状を引き起こしている状態を花粉症といいます。原因の花粉としては、スギやヒノキなど春先に飛散する花粉がよく知られていますが、人によっては、イネ、ヨモギ、ブタクサなど、初夏や秋の時期に飛散する花粉で発症することもあります。いずれにしても、飛散している時期限定で発症するようになります。

主な症状ですが、鼻の粘膜や結膜などに原因の花粉が付着するなどして、くしゃみ、鼻水・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状のほか、目やに、流涙、目の充血、目のかゆみ等のアレルギー性結膜炎の症状などがみられるようになります。

治療をする場合ですが、まず原因とされる花粉が判明しているのであれば、それを避けるための環境づくりを整えます。具体的には、原因花粉を家の中に入れない、外出中は帽子や眼鏡、マスクを着用する、空気洗浄機を使う、帰宅後に花粉を落とすといったことです。

症状を抑えるための治療は点鼻を中心として、点眼（眼症状）等も行われます。症状がひどい場合は内服薬も合わせて使います。点鼻のお薬は立ち上がりが遅いので、最初は効かないように感じていても根気よく使いましょう。

また根治を目的とした治療では、アレルゲン免疫療法（皮下免疫療法、舌下免疫療法）があります。これは、体内にアレルゲンを少量ずつ投与していき、身体を慣れさせることでアレルギーの症状を根治・軽減させる治療法です。当院では舌下免疫療法が施行できます。 治療期間は3～5年となり、早めに治療を行うと効果が高いようです。ラムネを舌の下に1分間置き、嚥下が可能でしたら施行可能です。

アレルギー性鼻炎

鼻の粘膜などにアレルゲンとされる原因物質が付着するなどして、粘膜が炎症し、様々なアレルギー症状を引き起こしている状態がアレルギー性鼻炎です。よくみられる症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。

タイプとしては、大きく2つに分けられます。ひとつは通年性アレルギー性鼻炎で、これは1年中発症し続けています。この場合のアレルゲンとしては、ハウスダストやペットの毛、真菌（カビ）などがあります。もうひとつのタイプは、季節性アレルギー性鼻炎です。これは季節に限定して発症するアレルギー性鼻炎で、主に花粉症がこのタイプです。

症状を和らげる治療（対症療法）としては、花粉症同様、効果が高く、副作用も少ない点鼻薬を中心に使用していきます。

アレルゲンを除去できる環境づくりもお勧めです。例えば、部屋をこまめに拭き掃除する、洗濯を適度に行うなどです。

食物アレルギー

特定の食物がアレルゲンとなって、様々なアレルギー症状を引き起こされている状態を食物アレルギーといいます。原因となる食物は、人によって異なりますが、鶏卵、牛乳、小麦が最も多いです。

主な症状は発疹、じんましん、口腔内や喉のそう痒感が多いですが、アナフィラキシーという重篤なアレルギー反応を引き起こす事もあります。
対応を間違えると後々大事に繋がる事がある上、検査および治療は非常に専門性が高いため、信頼できるアレルギー専門医に紹介の上、行っていく事を強くお勧めしています。信頼できる専門医は数少ないため、「どの先生に見てもらえばいいのかわからない」などのお悩みをお持ちでしたら、気兼ねなくご相談ください。